大阪大学経済史・経営史研究室の沿革 (2005年4月更新)


 歴史系は、主に経済理論専攻「歴史分析」大講座と政策・ビジネス専攻「エコノミスト」大講座に属する、経済史・経営史の研究者からなっています。教官数は全体で7名で、そのうち外国関係の研究者が3名、日本関係の研究者が4名という構成になっています。研究活動は、徹底した資料実証にもとづく研究を特色とし、学界をリードするとともに高い生産性を誇っています。

 外国経済史関係者は、主に近・現代西洋経済史、比較経済史、数量経済史研究に従事し 、価格革命期から戦間期にいたる期間をカバーしています。特に、絶対王政期の財政・金融史研究、移行期を対象としたプロト工業化の研究、19世紀ドイツにおける鉄道展開と国内市場の形成をめぐる問題についての研究、19世紀末から戦間期までのアジア諸国間の貿易や移民の研究などにおいて、斬新で水準の高い研究を行っています。

 日本経済史研究は、経済史・経営史資料室に保管されている徳川期屈指の豪商鴻池家文書や小野組文書、両替商冨子家文書その他の貴重な収蔵資料からもうかがわれるように、歴史系のなかでもっとも継続的に徹底的な実証研究がおこなわれてきた分野であり、近世および近代経済史研究に重点が置かれています。特に、近世米穀市場の構造と機能の研究、あるいは近世・近代の日本の商品流通組織の研究や物価史などの研究は、きわめて評価が高く、数多くの先駆的業績が含まれます。

 経営史関係者は、主に近・現代日本の経営史研究に従事していますが、経済史研究者とも密接な研究協力を行っています。とりわけ、明治期の産業発展の多角的研究や戦間期における綿業の研究、あるいは機械工業史研究や日本科学技術史研究など、経営史研究における優れた先駆的研究が精力的に行われています。また、実学を尊ぶ風土の大阪を地元とすることもあり、研究科開設以来、企業史研究は、社史や地域史編纂への指導的な係りを通して、経済史研究者の協力のもとに強力に推進されています。

 歴史系は、『経済史・経営史研究会』を主宰し、日本だけでなく世界の最先端で活躍する研究者のセミナーとして、国際的にも注目されています。


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