「くらしと社会に関するアンケート」 調査結果の概要

大阪大学社会経済研究所 大竹文雄

1.調査対象、回収率等                                                                                                                               

(1)調査地域:全国、(2)調査対象と母集団: 20歳以上65歳以下の男女                                                             

(3)抽出方法:層化2段無作為抽出法、(4)調査方法: 郵送法

(5)調査時期: 2002年2月13日〜2月26日

(6)標本数および回収数、標本数: 6000 総回収数:1943 うち有効回収数: 1928 (有効回収率32.1%) 

2.主な結果




 日本の所得の決まり方については、努力で決まっていると考える人が過半数であり、人々が努力するためには所得格差は必要だと考えている人も過半数である。性別による所得格差の存在を過半数の人が感じている。所得の決まり方については、階層間の流動性が高く、社会で貧しい人を助けるべきだと考える人が多い。


 過去5年間の格差の変化については、所得や収入、資産、正社員と非正社員の格差の拡大を感じる人が多いが、学歴や出身階層の違いの影響はそれほど変化していないと考える人が多い。


 政策強化については、環境対策、所得再分配政策、ホームレス対策への支持が多く、全国の道路網整備のための公共事業に対しては不支持が多い。


[ワークシェアリング]

 賃金カットか解雇か:2年間の賃金カットか解雇かについて、賃金カットと解雇率がそれぞれ5%10%30%のとき、どちらを選ぶかを尋ねた。賃金カットを選ぶ人の比率は、賃金カットが5%10%30%と上がるに従って83%76%54%と低下し、カット率が大きくなると解雇を選ぶ人の比率が高くなる。

[最近失業率が高くなったのはどういう理由だとお考えですか?]