雇用政策の経済分析
編集:猪木武徳 大竹文雄 出版:(財)東京大学出版会 ISBNコード:4-13-040181-5 発行:2001年7月16日 |
<目 次> <執筆者一覧> <書 評> |
第T部 労働市場の調整機能 | ||
第1章 日本の整理解雇 大竹文雄・藤川恵子 | 03 | |
1.はじめに | 03 | |
2.成文法による解雇規制と判例法による規制 | 07 | |
3.整理解雇判例の計量分析 | 09 | |
3.1 紛争処理システムとしての裁判 | ||
3.2 訴訟へのセレクションバイアスと判例の確立 | ||
3.3 整理解雇判例と4要件 | ||
4.解雇と自発的離職の決定モデル | 20 | |
4.1 解雇と自発的離職 | ||
4.2 過剰解雇・転職の抑制 | ||
5.おわりに | 25 | |
第2章 自営業減少と創業支援策 玄田有史・神林 龍 | 29 | |
1.はじめに | 29 | |
2.自営就業の決定要因 | 38 | |
2.1 仮説 | ||
2.2 データと推計方法 | ||
2.3 自営就業関数の推計結果 | ||
3.収入関数の推計 | 49 | |
4.創業支援策に関する問題の所在 | 56 | |
4.1 資金調達 | ||
4.2 人材調達 | ||
4.3 経営者の開発・育成 | ||
5.結論と留意点 | 70 | |
第3章 国家公務員への入職行動の経済分析 猪木武徳・勇上和史 | 75 | |
1.本章の目的 | 75 | |
2.仮説とデータの説明 | 77 | |
3.推定結果 | 83 | |
4.不況年入省キャリア官僚は有能か | 90 | |
5.結論と今後の課題 | 92 |
第U部 企業内制度と外的条件 | ||
第4章 人事処遇の個別化と従業員組織の役割 守島基博 | 107 | |
1.はじめに | 107 | |
2.わが国の労働法制の特色と現在の課題 | 108 | |
3.非組織従業員発言機構の機能 | 110 | |
3.1 これまでの研究 | ||
3.2 本研究の立場 | ||
4.過程の公平性とは | 116 | |
4.1 過程の公平性とは何か | ||
4.2 ボイスとエグジット | ||
5.分析枠組みとデータ | 120 | |
5.1 一橋データとJPCデータの分析:企業の視点から | 121 | |
5.2 「三菱データ」の分析:従業員の視点から | 125 | |
6.まとめ | 128 | |
第5章 職業訓練・能力開発施策 黒澤昌子 | 133 | |
1.はじめに | 133 | |
2.政府による介入の理論的根拠 | 134 | |
2.1 市場の不完全性 | ||
2.2 企業内訓練の外部効果 | ||
3.望ましい介入とは何か | 139 | |
3.1 企業への支援 | ||
3.2 労働者個人への支援:教育訓練給付金制度 | ||
3.3 公共職業訓練機関による訓練サービスの供給 | ||
3.4 情報の整備 | ||
4.施策評価の重要性 | 155 | |
4.1 米国の職業訓練施策 | ||
5.結語 | 162 | |
第6章 男女雇用機会均等法改正の経済学的背景 樋口美雄 | 167 | |
1.はじめに | 167 | |
2.プジティブ・アクションの法認 | 167 | |
3.男女間賃金格差の推移 | 171 | |
3.1 国際比較 | ||
3.2 一般常用労働者における賃金格差の時系列推移 | ||
3.3 パートタイム労働を含めた男女間賃金格差の時系列推移 | ||
4.男女間賃金格差の背後に潜む問題 | 180 | |
5.コース別人事制度の経済学的意味 | 184 | |
6.コース別人事制度の限界 | 188 | |
7.結びに代えて | 192 | |
第7章 仕事と家庭の両立支援制度の分析 −「女子雇用管理基本調査」を用いて− 脇坂 明 |
195 | |
1.はじめに | 195 | |
2.ファミリー・フレンドリー企業 | 195 | |
2.1 「ファミリー・フレンドリー」の概念の由来 | ||
2.2 ファミフレと均等 | ||
3.均等度とファミフレ度 | 199 | |
3.1 資料 | ||
3.2 点数化 | ||
3.3 均等度とファミフレ度の比較 | ||
4.女性比率への影響について | 210 | |
4.1 育児休業制度 | ||
4.2 育児制度以外のファミリー・フレンドリーな制度 | ||
4.3 出産関連制度 | ||
5.育児休業利用について | 218 | |
6.まとめ | 220 |
第V部 セーフティネットのマクロ的効果 | ||
第8章 雇用保険制度の再検討 八代尚宏 | 225 | |
1.はじめに | 225 | |
2.失業給付制度 | 226 | |
2.1 失業給付制度の概要 | ||
2.2 雇用保険の適用除外 | ||
2.3 失業給付の負担と給付 | ||
3.失業給付の経済効果 | 233 | |
3.1 失業給付とモラルハザード | ||
3.2 高年齢者の就業行動への影響 | ||
3.3 失業給付の「退職金」効果 | ||
3.4 雇用保険を通じた世代間所得移転 | ||
3.5 失業給付制度改革の方向 | ||
4.失業給付以外の個人への給付 | 243 | |
4.1 高年齢者雇用継続給付の概要 | ||
4.2 高年齢者雇用継続給付の問題点 | ||
4.3 育児・介護休業給付 | ||
4.4 教育訓練給付 | ||
5.雇用保険事業の問題点 | 250 | |
5.1 雇用安定事業の概要 | ||
5.2 特定層の雇用者を対象とした補助金の問題点 | ||
6.雇用保険制度改革の評価 | 253 | |
7.おわりに | 254 | |
第9章 地域別最低賃金がパート賃金に与える影響 安部由起子 | 259 | |
1.はじめに | 259 | |
2.海外の研究のレビューと日本の特徴 | 261 | |
2.1 最低賃金に関する考え方 | ||
2.2 日本の最低賃金に対する過去の評価と最近の最低賃金の動向 | ||
2.3 海外における最低賃金制度と日本の制度の比較 | ||
2.4 海外の研究 | ||
3.日本の最低賃金の制度と分析データ | 271 | |
3.1 目安制度 | ||
3.2 産業別最低賃金 | ||
3.3 最低賃金と生活保護 | ||
3.4 分析データ:パート賃金に関する2つの統計 | ||
3.5 パート実態調査のサンプル選択 | ||
4.賃金の分布に関する分析結果 | 277 | |
4.1 パート賃金と最低賃金の乖離幅 | ||
4.2 賃金の分布 | ||
4.3 日本のデータを用いた先行研究との比較 | ||
4.4 特徴的な地域の例示 | ||
4.5 賃金分布に関する結果の解釈 | ||
4.6 高い最低賃金の雇用喪失効果について | ||
4.7 雇用主の買手独占と最低賃金制度 | ||
4.8 賃金の上昇に関する分析結果 | ||
4.9 パート実態調査事業所票の質問項目 | ||
5.産業別、規模別の状況 | 295 | |
5.1 規模別の状況 | ||
5.2 産業の影響 | ||
5.3 産業別最低賃金の適用があるケース | ||
6.まとめ | 297 | |
第10章 労災保険の課題 −経済学の視点から− 太田總一 | 303 | |
1.はじめに | 303 | |
2.労災保険の経済学的意味 | 305 | |
2.1 保険料の負担 | ||
2.2 労災保険の経済学的意味 | ||
2.3 強制加入制度 | ||
3.労災保険制度 | 313 | |
3.1 保険料の徴収 | ||
3.2 労災保険財政 | ||
3.3 使途の問題 | ||
4.労災の認定 | 321 | |
4.1 労災の認定とは | ||
4.2 認定の諸問題 | ||
5.給付水準と他の制度のバランス | 325 | |
5.1 労災の給付水準 | ||
5.2 制度の改革:高橋構想の検討 | ||
6.おわりに | 331 | |
補論1 労災保険のモデル分析 | 332 | |
補論2 保険率と労災発生率の関係について | 336 | |
第11章 高齢者雇用政策と労働需要 三谷直紀 | 339 | |
1.はじめに | 339 | |
2.高齢者雇用政策の展開 | 343 | |
3.高齢者雇用対策と高齢者雇用 | 346 | |
3.1 定年延長 | ||
3.2 継続雇用促進対策 | ||
3.3 在職老齢年金と高齢者雇用継続給付金 | ||
4.高齢者に対する労働需要の動向 | 354 | |
4.1 産業別規模別の雇用率の推移 | ||
4.2 就職率低下の要因 | ||
5.高齢者雇用と労働需要構造 | 367 | |
5.1 定年延長と60歳代前半層の雇用 | ||
5.2 高齢者雇用と若年雇用 | ||
6.おわりに | 374 | |
付論1 Multinominal Logit分析による相対雇用率変化の要因分解 | 378 | |
付論2 補完の部分弾力性の推計方法および使用データ | 385 |
<執筆者一覧(執筆順)>
大竹文雄 (大阪大学社会経済研究所)
藤川恵子 (大阪大学大学院法学研究科博士課程)
玄田有史 (学習院大学経済学部)
神林 龍 (東京都立大学経済学部)
猪木武徳 (大阪大学経済学部)
勇上和史 (倉敷芸術科学大学芸術学部)
守島基博 (一橋大学大学院商学研究科)
黒沢昌子 (明治学院大学経済学部)
樋口美雄 (慶應義塾大学商学部)
脇坂 明 (学習院大学経済学部)
八代尚宏 (日本経済研究センター)
安部由起子 (亜細亜大学経済学部)
太田總一 (名古屋大学大学院経済学研究科)
三谷直紀 (神戸大学大学院経済学研究科)
<書 評>
『日本労働研究雑誌』 2001年12月号、No.497、日本労働研究機構、pp.72-75