寄附講義

講義名

特殊講義「アセットマネジメントの理論と実務」 平成19年度1学期 

概要

(社)日本証券投資顧問業協会・(社)投資信託協会からのご協力により、
外部講師をお招きして学生向けの講義を行いました。

 ○担当教員(コーディネーター):大阪大学経済学研究科 福重 元嗣 教授

開催日時/場所

下記の日程の火曜日4限(14:40-16:10)/ 大阪大学豊中キャンパス 法経講義棟2階4番教室

カリキュラム

回/
開催日
カリキュラム 講義の概要 講師
第1回 /
4.10
講義の概要と履修方法 ○講座の概要及び履修方法について
(担当教員:福重 元嗣)
 
第2回 /
4.17
アセットマネジメントとは
(オリエンテーション)
○資産運用の歴史的経緯、機能、社会的位置付
○アセット・マネジメントにおける受託者責任、運用哲学等
フィデリティ・ジャパン・ホールディングス㈱
取締役副会長
蔵元 康雄 氏
第3回 /
4.24
投資資産(株式、債券)の
リスクとリターン
○金融資本市場とコーポレートファイナンス
○株式・債券の投資手法と運用スタイル
○株式・債券のリスク・リターン特性
イボットソン・アソシエイツ・ジャパン㈱
代表取締役社長
山口 勝業 氏
第4回 /
5.8
アセットアロケーションと
分散投資
○ポートフォリオ構築の理論と実践
○リスク許容度別ポートフォリオ選択
○リスクマネジメントの実務
イボットソン・アソシエイツ・ジャパン㈱
代表取締役社長
山口 勝業 氏
第5回 /
5.15
REIT、不動産証券化商品 ○投資としての不動産の特性
○J・REIT(不動産投資信託)の特徴
○不動産証券化商品の基本構造
堀総合法律事務所 顧問
(元野村不動産㈱ 専務取締役)
植松 丘 氏
第6回 /
5.22
金融デリバティブ取引 ○金融デリバティブ取引の種類や活用方法等 ㈱大和ファンド・コンサルティング
業務企画部 上席研究員
俊野 雅司 氏
第7回 /
5.29
ヘッジファンド ○オルタナティブ投資の代表であるヘッジファンドの概要
○代表的な運用手法、主なプレーヤー、
グローバルな動向
シブサワ・アンド・カンパニー㈱
代表取締役
渋澤 健 氏
第8回 /
6.5
投資信託 ○投資信託(主に証券投資信託)の仕組み、
特性、種類等
○資産運用における投資信託活用のポイント
㈱ソフィアバンク
副代表
藤沢 久美 氏
第9回 /
6.12
個人資産形成の心得 ○個人として資産運用を行う場合の重要な
ポイント
○資産管理方法
㈱ソフィアバンク
副代表
藤沢 久美 氏
第10回 /
6.19
社会的責任投資 ○社会的責任投資とは
○SRIファンドの運用の実際
○SRIファンドの今後の課題
○資産運用会社の議決権行使
(グローバルな動向とわが国の動き)
住友信託銀行㈱ 企画部
CSR担当部長
金井 司 氏
第11回 /
6.26
日本の年金制度の動向と
アセットマネジメント
○日本の年金制度の概要と企業年金を取り巻く
環境変化
○年金の資産運用の実務
(確定拠出企業年金と資産運用との関わり等)
大阪ガス㈱ 財務部
財務ソリューションチーム
(企業年金資産運用担当)
石田 英和 氏
第12回 /
7.3
投資資産の種類と
グローバル・マーケットの動向
○証券市場の概要
○マクロ経済分析の基本
○投資資産(株式、債券等)のグローバル・
マーケットの動向
○国際分散投資の効用
興銀第一ライフ・アセットマネジメント㈱
チーフエコノミスト
小出 晃三 氏
第13回 /
7.10
ファンドマネージャー・
アナリストの業務
○ファンドマネージャー、アナリストの業務の
実態
○ファンドマネージャー、アナリストに求められる資質
元エイピーエス・アセット・マネジメント
代表取締役
依田 孝昭 氏
第14回 /
7.17
アセットマネジメント・
ビジネスの
今後の展望(経営者が語る)
○経営者から見た資産運用業について
○グローバルに見た資産運用業界と日本の将来性
○金融商品取引法を巡る動向
元シュローダー投信投資顧問㈱
代表取締役社長
工藤 雄二 氏

*記載している肩書きは、講義当時のものです。
*3、4年次以上配当の講義です。履修を希望する学生は、大学の手続きに従って登録してください。  

講義アンケートより

●アセットマネジメントの概説をわかりやすく解説していただき、これからの自らの資産形成を考える上でも大変為になりました。自分自身、運用会社での業務内容にとても興味があり、教官自らの体験に基づいた講義は、その好奇心をさらに掻き立てるものとなりました。このような、実学的な講義を日ごろから期待していたので、大変満足できました。これからもこのような知的好奇心を呼び起こす講義を期待してます。(経済学部経済・経営学科3年)




●我々にとって投資や資産運用はどうしても委託者の側からの立場で捉えがちであるが、日清食品やオートバックスといった今では誰でも知っている企業の成長過程において、資産運用会社がベンチャーキャピタルとして資本市場の発展に貢献している視点は非常に斬新でした。投資運用会社に興味を持っている自分にとっては自分のキャリアアップのほかに資産運用を通じて広く社会貢献ができる意義を見出せた貴重な時間でした。(経済学部経済・経営学科4年)




●実際に資産運用会社で働いておられる方の生の声というのは、大学ではなかなか聞く機会がないので、とても有意義な時間でした。この授業を聞くまでアセットマネジメントという言葉すら知らなかったのですが、企業年金や生命保険の資金の運用方法やその仕組みを聞いて、非常に勉強になりました。これからも、経済理論や経済モデルなどの講義だけでなく、こういった様々な現場の声を聞くことの出来る講義を増やしてほしいと思います。(経済学部経済・経営学科3年)




●今回の授業は以前学習したファイナンスの数式や貸借対照表、損益計算書や企業価値の概念が登場し、自分の学習してきたことが実際の市場において役に立つものであることを実感でき、とても為になった。もっと、知識を深めて奥深い金融資本市場の仕組みを理解したいと思った。(経済学部経済・経営学科3年)




●今回の授業も前回に引き続き、難しい内容を非常に丁寧に易しく教えて頂き、とてもためになった。ポートフォリオ、リスク、リターンなど興味はあるがあまり詳しく知らなかったことの基礎を学び、これからもっと勉強していかねばならないなと思った。一見難しそうにみえるため敬遠しがちな分野であったが、学んでみるとやはりおもしろい分野だなと感じた。将来の職業を考える上でも参考になった。以前から金融系の仕事に興味があったので、これで一歩近づけたように思う。山口先生の授業をきっかけにしてつかんだものをこれからの勉強、就職活動に何か役立てたいと思う。そう思う授業だった。(経済学部経済・経営学科3年)




●当日は参加できず、インターネット配信による受講となったが、内容的に充実した受講ができた。まず、ポートフォリオの構築という観点から、アセットアロケーションの意味がよく理解できたし、アセットアロケーションの観点からの分散投資の意義がよく理解できた。また、リスク許容を踏まえたポートフォリオ選択については、普段投資信託の商品目論見書で目にするリスク・リターン表および日米での運用実績表(キャッシュ・株式・債権)が出ていたが、それらの表が意味するところを、恥ずかしながら初めて理解した。アセットマネジメントについての大まかな理論については今回の講義で復習できるはずなので、今後は確率論を根本とした数学的な知識を深めていく努力をしていきたい。本当に身になる講義であったと思う。(経済学研究科博士前期課程経営学系専攻1年)




●普段くわしく業務内容を聞く機会のないファンドマネジャーやアナリストについて話を伺えたのはとても興味深かったです。証券会社にインターンをしていた時、アナリストの業務についてさまざまなことを教わりましたが、もちろんこれはセルサイドのアナリストであり、機関投資家のプロを相手にいかに緻密にオリジナリティあふれる分析をするかにこだわっているように思いました。今回の講義ではバイサイドのアナリストについても触れることができ、さまざまな面からアナリストという仕事について把握できたように思います。また、ファンドマネジャーについては、あいまいな知識しかもっていませんでしたが、意思決定をする人ということで、意思決定までにさまざまな時間がかかり、精神的にもタフでなければならず、非常に責任感を伴う仕事であることを痛感しました。(経済学部経済・経営学科4年)




●留学生の私にとって、不動産業界の世界はまるで未知の世界のようなものだった。今まで触れたことのない分野だった。しかもそれに関わる話を聞く機会もなかなかなかった。 今回の授業を通じて、不動産について分かったとはいえないが、少しでもそれのイメージがぼんやりと浮かんできた。講義の中に触れたファンドの構造や課税などの話をあまり理解できなかった。初めてそれらを見るとまったく見当が付かないので、焦ってしまったと痛感した。しかしこの講義をきっかけに今まで触れたことのない分野を見ることができて非常にいい機会だと思う。もっと知りたいと思う。
(経済学研究科博士前期課程政策専攻1年)




●金融デリバティブについては、就職活動の際に何度か聞いたことがあったのですが、詳しくは分からず今回の授業である程度理解することができたと感じました。特に先物については、ある会社で聞き、その今までの怖いという言うイメージを拭えたのですが、今回の話でよりいっそうそれが感じられとても勉強になりました。また、授業の難易度としては、経済学部ではないので、多少難しいと感じました。しかし、興味ある内容を分かりやすくしゃべっていただけたので、大変ためになり、今後の課題が見えてきたと強く感じることができたと思います。(情報科学研究科博士前期課程情報基礎数学専攻2年)

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